今日は八丈島の文化について書きます。八丈島で生まれ育って、80年以上八丈島で暮らしているおばあちゃん2名に聞きました。
昔は飛行機もなかったし、船も今ほど行き来してなかったから、島で生まれてずーっと島にいる(結婚も島で)っていうのは珍しくなかったそう。
そう考えると、ご年配の方はたいてい島生まれ島育ちなのかも。
→ちなみに、今の若い世代の既婚女性の多くは内地出身。
八丈島で生まれ育った子は全員わかる
おばあちゃん曰く、移住者かそうでないかはすぐわかるそう。
何でかというと、
- 八丈島出身の人なら親族を知ってるから、子どもや孫が生まれるとすぐわかる。
- 顔立ちがなんとなく似てる。
からだそう。
確かに、移住したての頃温泉に毎日通っていたら「おみゃー観光の人じゃないんか?どこ住んどる?」なんて良く聞かれました。
八丈島にずっといる人は知っているから、それ以外の人は観光客。もしくは嫁いできた人ってすぐわかるらしい。
ちなみに、八丈島で多い名字は鈴木でも佐藤でも田中でもない。
- 浅沼
- 菊池
- 沖山
- 奥山
- 小宮山
- 山下
あたりがすごーーく多いです。これも見分けるポイント。
感覚としては、島民全体のうち浅沼30%・菊池30%・沖山奥山30%といっても過言ではない気がします。この名字以外はたいていよその土地の人って感じです。
だからか自己紹介で、名字だけ言う人が少ないかも。
「菊池です」
「菊池です」
「私も菊池です」
みたいになっちゃうから(笑)
小さな島だけど地域によって訛りが違う
八丈島には島言葉があって、バリバリの島ことばで話されると、移住者はもう理解できないです。
で、八丈島って大きく5つの地域に分けられます。
三根。大賀郷。樫立。中之郷。末吉。
隣り合った地域もあるけど、だいたい3~5kmくらい離れてるイメージです。
たったそれだけなのに、おばあちゃんたち曰く方言が違うらしいんですよ。イントネーションが微妙に違うらしい。
例えば、
「弁当箱、かぁかぁかー?」
(※弁当箱は乾いたか?)
これを中之郷地区の人が言うと
「弁当箱、くわっかぁかー?」
となるらしい(笑)
この微妙なイントネーションの違いで、どの地域の人かも見分けているんですって。
ちなみに一番癖が強いのが、一番離れた地区にある末吉。末吉訛りっていうのがあるみたい。
まぁ私たち移住者や観光客にとってはまったくわからないレベルなのだけど。
とにかくおばあちゃんたちは、島のことなら何だって知っています。
「○○に住んでいる」と言えば、隣り近所の住民を知っているというし、
「○○のとこの嫁だ」と言えば、「あそこん家の子か!」とすぐ合点。なんなら出身地や結婚したなれそめまで知られていることもあるくらい(笑)
ご近所付き合いのレベルが島全体なので、交遊範囲が本当に広いよなぁと思います。
私は最初、そういうのが居心地悪く感じていました(いや、今もたまに…)。人のプライバシーには踏み込むなよ、というか。
島出身者じゃないと溶け込めない雰囲気みたいなのもあって、すごく閉鎖的だなぁと思ったのです。
最近は、そうでもないのかも…という気がしています。
移住者には「○○んとこの子かー!」という盛り上がりはありませんが、こちらがオープンに接していけば、普通に仲良くしてくれるんですよね。むしろ根掘り葉掘り色々聞かれますが。
親族がいないからといっても気にしないで、自分からいろいろな行事に参加してみると、すぐに顔が知れ渡って、活動しやすくなる島かもしれません。
島暮らし、まだまだ知らないことがいっぱいだなぁ~